最新のIoT資格ガイド:初級から上級まで、あなたのキャリアを加速させる

IoTを学ぼうと思った場合に、大きく2つのアプローチがあります。1つは、自分で手を動かして自分で実際にIoTシステムを作ってみるという方法、もうひとつは書籍やセミナーで知識を習得する方法です。前者はエンジニアリングの知識も必要となるため、少しハードルが高いですが、IoT関連の書籍を読む、セミナーの受講、資格取得に挑戦するといった学習はすぐにでも始められるのではないでしょうか。
本記事では、最新のIoT資格をご紹介します。
コンテンツ(目次)
IoT資格とは何か?:IoTの世界を理解する
IoT(Internet of Things)は、モノ同士がインターネットを通じて通信し、情報をやり取りするテクノロジーを指します。これはモノが感じたり、考えたり、学習したりするという新しい可能性を秘めています。一方、IoT資格とは、IoT技術や知識に関する習熟度を証明するための証明書であり、IoT関連業界におけるキャリア構築に有効なツールとされています。
初級から上級まで:IoT資格の種類とその特徴
初級IoT資格:スタートラインとなる資格
IoT検定のユーザー試験やIoTシステム技術検定試験の基礎(IoTアドバイザー)などは、IoTに関する基本的な知識を証明する初級の資格です。IoTに関連する業務に参加するための基礎的なスキルを身につけることが目的となっています。
中級IoT資格:スキルアップのステップ
中級IoT資格には、IoT検定のレベル1試験やIoTシステム技術検定試験の中級(IoTエキスパート)が含まれます。これらの試験では、IoTに関連する専門的な知識やスキルが求められ、より複雑な業務を遂行できる能力を証明します。
上級IoT資格:エキスパートへの道
上級IoT資格には、IoT検定のレベル3試験やIoTシステム技術検定試験の上級(IoTプロフェッショナル)、Microsoft Certified: Azure IoT Developer Specialtyなどが含まれます。これらの試験では、IoTソリューションの設計や構築に関する高度な知識を証明します。
各資格の具体的な内容:資格の詳細を理解しよう
■ IoT検定
対象者 | 全ての人が対象 |
特徴 | IoTに関するスキルや専門知識を測る基準の一つ。 資格を保有していることで、就職活動や転職活動で有利になる可能性がある。 |
構成 | IoT検定ユーザー試験:パワー・ユーザー IoTに関する基礎的知識を持つことを証明する試験。IoTにおける用語やIoTプロジェクトに関わる業務の内容を理解していることが求められる。 IoT検定レベル1試験:プロフェッショナル・コーディネーター プロジェクトのメンバーの一員として、IoTに関する業務を遂行できる能力を証明する資格。業務では指示に従って動くだけでなく、IoTに関する提案、IoTシステムの企画の立案、さらには顧客にIoTデバイスについて説明を行うなど主体的に働くスキルや知識を持っていることも期待される。 レベル2試験:プロフェッショナル・エンジニア(準備中) IoTエンジニアを対象にした試験で、IoTに関する知識レベルを確認することを目的とする。 レベル3試験:プロフェッショナル・アーキテクト(準備中) IoTエンジニアとして高度な知識を持つことを証明するために行われる。 |
詳細 | http://www.iotcert.org/ |
■ IoTシステム技術検定試験
対象者 | 技術者 |
特徴 | IoT技術者の育成を目的に実施されている資格で、合格すれば高レベルの知識を持つことを証明できる。 |
構成 | 基礎(IoTアドバイザー) IoTに関する基礎知識を確認するための試験。受験者層はAIやIoTに関心がある学生や、システム開発関係の仕事に就く予定の新社会人がメインとなっている。 中級(IoTエキスパート) IoTシステム構築の基礎知識について問われる試験。受験者層はシステム開発の経験があるエンジニアや、IoTシステムを開発する予定のエンジニアがメインとなっている。 上級(IoTプロフェッショナル) IoTシステムの設計や構築に関する高度な知識について問われる試験。受験者層はIoTシステムの設計や構築の経験があるエンジニアや、IoTシステムの設計や構築を行う予定のエンジニアがメインとなっている。 |
詳細 | https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/kentei_msg_kiso/ |
クラウドとIoT:AWS IoT資格とAzure IoT資格の比較
AWS IoT資格とAzure IoT資格は、IoTとクラウドの融合に焦点を当てた資格で、それぞれが異なる特性と特徴を持っています。AWS IoTは、AWSクラウドを基盤としたIoTソリューションの設計と開発に関する深い知識を証明するための資格です。一方、Azure IoT資格は、Microsoft Azureクラウドを基盤としたIoTソリューションの設計と開発に関する知識を証明します。
詳細は以下の通りです
AWS IoT | Azure IoT | |
---|---|---|
認定資格数 | 12 | 27 |
レベル | Foundational(基礎) Associate(アソシエイト) Professional(プロフェッショナル) Specialty(専門) AWS IoTに関連する資格は、Specialtyレベル。 | Foundational(基礎) Associate(アソシエイト) Professional(プロフェッショナル) Specialty(専門) Azure IoTに関連する資格は、Specialtyレベル。 |
認定資格項目 | ・AWS Certified Advanced Networking ・AWS Certified Data Analytics ・AWS Certified Security ・AWS Certified Machine Learning ・AWS Certified Database など | ・Microsoft Certified: Azure IoT Developer |
試験時間 | 180分 | 210分 |
受験料 | 300米ドル | 165米ドル |
以上の情報から、AWS IoTとAzure IoTの資格はそれぞれ異なる特性と特徴を持っています。どちらの資格を取得するかは、個々の目標、スキルセット、キャリアパスによります。
AIとIoTの融合:AI IoT資格の重要性とその取得方法
AI IoT資格は、AIとIoTの融合した技術についての知識を証明するための資格です。これにより、AIとIoTを組み合わせた最先端のソリューションを設計し、実装する能力を持つことを証明することができます。具体的な取得方法は、試験を受けるか、指定されたトレーニングコースを終了することにより取得可能です。
海外の資格ですが、AI IoT資格の取得方法をご紹介します。
Cloud Credential Council (CCC) IoT Foundation (IoTF)
CCCによって提供されるIoTF認定は、主要なIoTトピックをカバーし、ベンダーニュートラルな認定として評価されています。CCC認定は、基本的な概念と技術、ビジネス指向、IoTアーキテクチャ、実装、セキュリティとガバナンス、ビジネスユースケースなど、6つの学習モジュールをカバーしています。試験料と全ての学習資料は$349です。
CertNexus Certified Internet of Things Practitioner (CIoTP):
この認定は、IoTデバイスの計画から実際のユースケースでのデバイスのデプロイと管理まで、6つのトピックをカバーしています。自己学習オプションは約$490から始まり、試験は$250です。
Cisco’s ‘Introduction to IoT and Digital Transformation
これは、IoTに足を踏み入れ始める初心者向けの無料の6モジュールのオンラインコースです。6つのモジュールを完了した後、最終試験が行われ、試験に合格すると証明書が授与されます。
Arcitura’s Certified IoT Architect
Arcituraの認定IoTアーキテクトプログラムは、「Fundamental IoT」、「IoT Technology & Architecture」、「IoT Technology & Architecture Lab」の3つのコースからなります。全体の3モジュールのシーケンスは$618.30で、追加で$249の認定試験が利用可能です。
The Iot-Inc Certified IoT Professional (ICIP)
これは、45のオンラインモジュール、163のレッスン、28のクイズ、1つの最終試験からなる、上級IoT実践者向けのIoTコースと認定です。コースは自己学習型で、価格は$1,199です。
これらの認定プログラムは、IoTの基礎からビジネス指向のIoTコースまで、キャリア目標に合わせて選択できる幅広い選択肢を提供しています。
データ分析とIoT:データアナリスト資格
データアナリスト資格は、IoTの大量のデータを効率的に解析し、ビジネスに活用するためのスキルを証明するための資格です。この資格を持つ者は、IoTデータを利用して意味のある情報を抽出し、ビジネスの意思決定に貢献できます。
データアナリストに必要な資格を紹介します。
統計検定
データ分析を行う上で必要となる統計学のスキルを証明します。1~4級まであり、それぞれのレベルごとに統計学の知識や応用力、判断力が評価されます。
情報処理技術者試験: ITの基礎的なスキルを認定する国家試験です。基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の内容は、データアナリストとして活躍する上でも役立つとされています。
オラクルマスター
データベース認定試験で、情報処理系の資格では知名度が高いものの一つです。入門レベルのBronzeから、Silver、Gold、Platinumまで4段階の資格があります。
OSS-DB技術者認定試験
オープンソースデータベースに関する技術、知識を有することを認定するIT技術者認定資格です。データベースシステムの設計から運用ができるレベルのSilver、大規模データベースシステムの改善、運用管理、コンサルティングができるレベルのGoldの2つに分かれています。
データスペシャリスト試験(DB)
データベースシステムを運用するエンジニアや管理者、ネットワークやサーバーなどのインフラを担うエンジニアを対象とした試験です。ビッグデータとの関連性も深いことからデータアナリスト向けの試験としても注目されています。
Python3エンジニア認定データ分析試験
プログラミング言語Pythonに関する知識を証明する資格です。Pythonはデータ分析やAIの開発で使われるプログラミング言語であるため、データアナリストとしては身につけておきたい技術です。
IoTセキュリティ資格:セキュリティの観点からIoTを理解する
IoTセキュリティ資格は、IoTデバイスやソリューションのセキュリティに関連する知識とスキルを証明するための資格です。この資格を持つ者は、IoTシステムの脆弱性を理解し、適切なセキュリティ対策を立案・実行できます。
セキュリティーの主な資格を紹介します。
情報処理安全確保支援士試験
サイバーセキュリティ領域では国内初となる国家資格で、情報システムを安全に保つための専門知識と実践的なスキルを有する人材の確保・育成を目的としています。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティの管理や運用を担う人材を認定する国家資格です。
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
一般社団法人セキュリティ対策推進協議会(SPREAD)が実施している公的資格です。
SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定:SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定の上位資格で、SPREADの活動に賛同する方で有効期限内のサポーター資格を有する方が受験資格です。
情報セキュリティ管理士認定試験
一般財団法人全日本情報学習振興協会が運営する資格制度です。
公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
情報システムコントロール協会(ISACA)によって創設された国際的な資格です。
個人情報保護士認定試験
一般財団法人全日本情報学習振興協会が開催する試験です。
AWS認定セキュリティ
Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスであるAWSのシステムを安全に運用するための知識を問う問題が出題されます。
これらの資格は、それぞれ異なる知識やスキルを必要としますので、自分のキャリアパスや目指す職種に応じて選択すると良いでしょう。
IoT資格取得のための学習計画:目標設定から試験対策まで
IoT資格の取得を目指す場合、まずは自分の現状と目標を明確に設定しましょう。それに基づいて、学習計画を作成し、一貫した学習を行うことが重要です。また、模擬試験を活用することで、実際の試験に備えることができます。
また、資格試験の体験談などは参考になります。以下に体験談のサイトのリンクを記載しますので、ぜひ参考にしてください。
記事 | 記事概要 |
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IoT検定(モノのインターネット)の難易度と資格取得体験記 | IoT検定の難易度と資格取得の体験談が紹介されています。 |
IoTエンジニア向けの資格を紹介!取得するメリットや適性とは | IoTエンジニア向けの資格とその取得のメリット、適性について説明されています。 |
IoT検定【試験日】合格率や難易度 | 資格の一覧 JQOS.jp | IoT検定の試験日、合格率、難易度について詳しく説明されています。 |
IoTエンジニア になるには?資格や学校を解説| TECH.C. | IoTエンジニアになるための資格や学校について解説されています。 |
以上、初級から上級までのIoT資格についてのガイドを提供しました。それぞれの資格が持つ特性と特徴を理解し、自分のキャリア目標に最も適した資格を選びましょう。それぞれの資格は、IoT分野でのスキルを強化し、あなたのキャリアを加速するための重要なツールとなります。